銀行から海外送金をすると手数料がかなり高くかかってしまうのはご存知かと思います。今回はTransferWise(トランスファーワイズ)を利用した為替手数料が一円もかからない国際送金の方法を紹介したいと思います。トランスファーワイズは、日本では2016年からはじまったサービスで国際送金のいままでの常識をがらりと変えました。僕の印象だと近い将来、銀行からの送金する必要がなくなるんじゃないかと思うほど、手数料が安く簡単に国際送金できるサービスです。早速紹介していきます。
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TransferWise(トランスファーワイズ)とは
TransferWiseとは2011年から始まったスタートアップの海外送金サービスです。最大の特徴はリアルタイムの為替レートが適用されるので、為替手数料が一切かからないところにあります。2016年から日本円が対応したことにより日本でも格安の手数料で海外送金が可能になりました。
トランスファーワイズはインターネットを利用して送金ができるので、銀行からの送金に比べて非常に早く・簡単にできるという利点があります。更に手数料が他の送金手段に比べて抜群に安いという点もトランスファーワイズの魅力です。
TransferWiseの仕組みを説明した動画です。
対応通貨
ユーロ・ドル・ポンドに限らず世界中の通貨に対応しているので、利用価値も非常に高いです。また逆に世界各国から日本への送金もインターネットがあれば簡単にできます。
日本円に対応している通貨
AED UAE・ディルハム/ AUD オーストラリア・ドル/BDT バングラデシュ・タカ/ BGN ブルガリア・レフ/ BRL ブラジル・レアル/ CAD カナダ・ドル/ CHF スイス・フラン/ CLP チリ・ペソ/ COP コロンビア・ペソ /CZK チェコ・コルナ/ DKK デンマーク・クローネ/ EUR ユーロ/ GBP 英ポンド/ GEL グルジア・ラリ/ HKD 香港ドル/ HUF ハンガリー・フォリント/ IDR インドネシア・ルピア/ INR インド・ルピー/ KRW 韓国ウォン/ LKR スリランカ・ルピー/ MAD モロッコ・ディルハム/ MXN メキシコ・ペソ/ MYR マレーシア・リンギット/ NOK ノルウェー・クローネ/ NZD ニュージーランド・ドル/PHP フィリピン・ペソ/ PKR パキスタン・ルピー/ PLN ポーランド・ズロチ/ RON ルーマニア・レイ/ RUB ロシア・ルーブル/ SEK スウェーデン・クローナ/ SGD シンガポール・ドル/ THB タイ・バーツ/ TRY トルコ・リラ/ UAH ウクライナ・グリブナ/ USD 米ドル/ VND ベトナム・ドン/ ZAR 南アフリカ・ランド
TransferWise(トランスファーワイズ)を利用した海外送金にかかる手数料
一般に銀行からの送金だと海外送金手数料が必ず必要です。これに加えて為替手数料という両替するのに手数料がかかっています。この為替手数料は銀行からの送金だとかなりレートが悪く、リアルタイムのレートより数円高いので知らない間にかなり多くの手数料が引かれています。トランスファーワイズが登場するまでは海外送金は手数料の高い銀行からでしかできませんでした。2016年3月に日本円が対応したことにより、日本でもいよいよ格安で海外送金ができる時代に突入しました。
海外送金手数料はゆうちょ銀行で2500円、三菱東京UFJ銀行で3500円。他銀行でも2000〜3000円という手数料の設定が多いです。
さらにこれに加えて銀行から送金する場合、為替手数料というのが上乗せされていて、実質の為替レートから1.5円ほど高く設定されています。市場のレートが1ユーロ=120円の場合、銀行からの送金するときには1ユーロ=121.5円になっています。しかもこのレートは公式に発表されていない場合が多く、電話で問い合わせないとわからない場合が多いです。どのタイミングのレートが適用されているのかも定かではないため、送金するまでレートがわからないということも多く、知らない間にかかっている手数料なので、隠れコストと呼ばれたりします。
しかしトランスファーワイズを利用した手数料は海外送金手数料:ドル・ユーロ・ポンドは送金額の0.5%〜1.0%しかかかりません。しかもその時間のリアルタイムのレートが適用されているので為替手数料はゼロ円!上で述べた隠れコストはゼロです。
手数料は送金額の0.5%〜1.0%だけ、為替手数料はゼロ円です!
なぜ為替手数料がかからないのか?
そもそもトランスファーワイズの仕組みでは、実際に海外へ自分の送金したお金が送られているわけではなく、国内での送金する側と送金を受ける側でマッチングをしてお金が動いているだけなのです。
つまりお金が動いているのはその国のTransferWiseのお金のみ。
僕が日本から300ユーロドイツに送る場合、僕がTransferWiseに預けたお金は、日本で他の誰かが300ユーロ受け取る時に使われる。
逆に僕がドイツから300ユーロのお金を受け取る場合、僕に振り込まれるお金は日本で他の誰かが300ユーロ送金した時に預けたお金が振り込まれているのです。
送金しているように見せかけて、実は国内のTransferWiseのお金がぐるぐる循環しているという仕組みのお陰で、為替手数料0円が実現しているようです。かなり革新的ですごいアイデアです、仕組みを理解した時に感動しました。
実際にTransferWiseがリアルタイムのレートが反映されていることを確認してみて下さい。
実際いくら手数料がかかるのか?(2017年9月現在、手数料は前より安くなってました!)
じゃあ海外送金する場合に手数料がいくら必要なんでしょうか。
(ちょくちょくアップロードしていますが、ここに掲載している情報が古くなっている可能性があるので公式サイトの情報(日本語)で確認したほうが確実です!)
手数料 | 最低手数料 | |
日本円→米ドル | ||
米ドル→日本円 | 1.0% | 3UDS |
日本円→ユーロ | ||
ユーロ→日本円 | 0.50% | 2EUR |
日本円→ポンド | ||
ポンド→日本円 | 0.50% | 2GBP |
日本から米ドル・ポンド・ユーロ圏に日本円を送金する場合は送金額の0.8%が手数料になります。反対に日本へ送金する場合は送金額の0.5〜1%が手数料になります。
またユーロ・米ドル・ポンド軒への送金の場合、500→400円(2017年9月現在)の最低手数料が定められています。つまり日本円を送金する場合5万円までは手数料が一律400円。それ以上からは送金額の0.8%の手数料になります。
他の通貨の場合でも最大で手数料が送金額の2%になっているので、安く送金できることがわかります。
じゃあどれぐらい得して送金できるのか?
例として送金額別に日本からユーロ圏に送金する場合に必要な手数料がゆうちょ銀行・三菱東京UFJ銀行・トランスファーワイズでそれぞれいくら掛かるか比較してみたいと思います。
※以下 1ユーロ=120円で計算しています。
500ユーロ(=6万円)送金する場合
ゆうちょ銀行
海外送金手数料2500円
為替手数料500通貨×1.5円=750円(隠れコスト)
手数料合計3250円
三菱東京UFJ銀行
海外送金手数料3500円
為替手数料500通貨×1.5円=750円(隠れコスト)
手数料合計4250円
海外送金手数料60000円×0.8%=480円
為替手数料0円
手数料合計480円
トランスファーワイズを利用して500ユーロ送金する場合
ゆうちょ銀行に比べて2770円
三菱東京UFJ銀行に比べて3650円
安く送金することができます。
5000ユーロ(=60万円)送金する場合
ゆうちょ銀行
海外送金手数料2500円
為替手数料5000通貨×1.5円=7500円(隠れコスト)
手数料合計10000円
三菱東京UFJ銀行
海外送金手数料3500円
為替手数料5000通貨×1.5円=7500円(隠れコスト)
手数料合計11000円
海外送金手数料600000円×0.8%=4800円
為替手数料0円
手数料合計4800円
5000ユーロ送金の場合でもトランスファーワイズを利用すると5000−6000円安く送金できることがわかりました。
10000ユーロ(=120万)円送金する場合
ゆうちょ銀行
海外送金手数料2500円
為替手数料10000通貨×1.5円=15000円(隠れコスト)
手数料合計17500円
三菱東京UFJ銀行
海外送金手数料3500円
為替手数料10000通貨×1.5円=15000円(隠れコスト)
手数料合計18500円
海外送金手数料120000円×0.8%=9600円
為替手数料0円
手数料合計9600円
10000ユーロ送金の場合でもトランスファーワイズに軍配が上がりました。TransferWiseを利用すると1万円近く節約できそう!
各送金額で比較しましたが、いずれもトランスファーワイズを利用した送金が一番安い結果になりました。これがインターネットさえあればどこでもできてしまうのは凄すぎます!銀行からの海外送金だと時間と高い手数料をとられるので、もう銀行で国際送金するのはバカバカしいですねぇ
実際にTransferWiseを使うには(登録方法と送金方法)
僕がこの記事を書いたときはまだ日本でのサービスが始まったばかりだったので、半分以上が英語のページでしたが、2017年9月現在は登録から送金までの案内や諸注意などのページもすべて日本語対応になっているので、送金するのに英語が苦手でも全く困ることはないと思います!
いくつかTransferWiseを利用する前に気をつけておきたいことをざっとまとめると
- 送金には本人確認書類とマイナンバーが必要
- マイナンバーを持っていない海外在住者は本人確認書類と住所確認書があればOK
- 日本円からの送金1回の最大額は100万円まで
- 外貨から日本円への送金1回の最大額は1億4000万円まで(!!)
TransferWiseの公式ホームページ上に日本円の送金についての詳細に関するページがあるので、1度確認してみてください!
国境を超えた銀行口座、ボーダレス口座も登場!(2017年8月追記)
TransferWiseでは少し前から国境を超えて複数の通貨を管理できるボーダレス口座が利用できるようになりました。これ、すごいです!残念ながら日本からはまだ利用できませんが米ドル、ユーロ、ポンド圏にお住まいの方はTransferWiseでボーダレス口座をを持つことができます!日本でも使えると思っていたのですが、僕はドイツから帰国してTransferWise上の住所を日本のものに変えたら利用できなくなってしまいました。もう少し時間はかかると思いますが、いずれ日本でも使えるようになると思うので気長に待ちます!
初回特典
さらに現在、トランスファーワイズに登録してから初回の手数料が無料になる紹介キャンペーンをやっています。下のリンクから登録した場合、最初の一回目だけは国際送金がなんと手数料無料!(※500ポンド相当まで)
メリット
トランスファーワイズの最大の魅力は送金にかかる手数料が非常に安いという点です。さらに銀行からの国際送金に比べて送金から着金までの時間が非常に早く、インターネットでの送金なので、いちいち銀行に行って手続き、、という手間もありません。銀行での送金ってかなり時間かかるのでそれだけでも一苦労です。
また、銀行からの送金の場合、送金してから、相手の銀行にいつ着金するのか、はっきりした日付がわかりません。銀行だとだいたい4〜6営業日と言われてますが、これよりも前後する可能性がある、って僕はゆうちょ銀行と三菱東京UFJ銀行で送金した時に言われました。これって期日ギリギリに送金するときの大きな不安材料になるんですよね。
TransferWiseの場合は、送金する時に同時に着金予定日を表示してくれるので、期日にいつもギリギリになってしまう僕にとっては、かなり安心できました。
もともとホームページは英語表記のみでしたが、最近どんどん日本語に対応してきているので日本にいても安心して利用できると思います。特にサポートもかなり充実しているので国際送金の際には積極的に利用したいサービスです。
デメリット
上の比較で10000ユーロと書きましたが実際に送金できる金額の上限は、日本から送金する場合、一度に100万円までになっています。
もう一つデメリットとして挙げるなら、まだホームページ上のページ全てが日本語に対応していないところです。でも送金の手続きのページは全て日本語に対応しているので実際に送金する時に困ることは特にないです。
日本でのサービスも徐々に拡大してきているので、今後日本語対応がどんどん増えてくるかと思われます。
送金の速さが尋常じゃなく早い!日本からドイツの銀行への送金が最速8時間以内に完了!
実際に使ってみたのですが、送金の速さがとてつもなく速いです。
今回ぼくは日本の銀行口座から自分が持っているドイツの口座へ20,000円送金しました。ドイツ時間の夜中の0時を回ったあたりに送金依頼をし、すぐに日本の口座からTransferWiseへ入金。すると、8時過ぎ、朝起きた頃にはすでにドイツの口座に入金されていました!なんという速さ!
銀行からの送金だと朝まで待って銀行から送金しても、ドイツの口座に振り込まれるのははやくても3,4日かかるので、一晩の間に海外送金が完了してしまったと考えると、とんでもない革新です。あっぱれ!
いちおう、証拠として今回送金した際の画像貼っておきます。
2018年9月6日 00:26 送金手続き完了
2018年9月6日 03:21 入金確認、送金開始
2018年9月6日 08:21 ドイツの口座へ着金
夜中の00:26に送金をして朝の08:21には送金がされていました。8時間かかっていないと思うと驚くべき速さ!すごいですね。
ひとつ注意ですが、必ずしもこの速さで入金されるわけではありません。僕の場合は、日本時間の営業前に入金の手続きがされたので、速く処理されたのだと思います。金曜の営業時間後や休日に重なると次の営業日まで2,3日かかることも十分にありえますので、注意してください。
まとめ
とにかく安く・早く・簡単に、かつ安心して国際送金をしたい場合はトランスファーワイズを利用することを強くおすすめしたいです。
銀行からの送金は
- 手数料がそもそも高い
- 為替レートが非常に悪い
- 送金する前の手続きに時間がかかる
- 送金手続き完了から着金までにも時間がかかる
- いつ着金するか正確な日程がわからない
- 銀行間を経由する場合があるので、その手数料を上乗せすることもある
などデメリットだらけです。
TransferWiseを利用した国際送金の場合
- 手数料が安い
- 為替手数料がゼロ円
- インターネットがあれば好きな時に送金できる
- 着金日を予め教えてくれる
- 送金から着金までが早い
- 他銀行を経由しないので上乗せする手数料がそもそもない
など今までの国際送金からは考えられないような優良なサービスと言えます。
TransferWiseを利用すれば、上に挙げた銀行からの送金デメリットはほぼありません。ここまで便利な送金手段ができたので、トランスファーワイズを利用しない手はないのでは!
TransferWise 公式ホームページ