ドイツ留学してみて分かった、建築学生・美大生ほど留学するべき理由

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ベルリンでの建築留学が始まってから4ヶ月ほど経ちました。実際に建築留学をしてみて、講義に参加してきましたが、改めて建築を勉強している人や美大生ほど留学するべきだと感じます。最近の日本の建築教育はかなり進んでいるので、わざわざ留学する必要がないという人もいます。事実として、留学を志す建築学生、美大生がかなり減ってきているようです。

 

それでも実際に日本から出てみて、やっぱり建築学生、美大生ほど留学するべきだと感じたので、それについて思ったことをまとめてみたいと思います。

 

 

言葉の壁

語学に自信がないという理由で留学を諦めるのは非常にもったいないことだと思います。

というのも特に建築や美術学生の場合に限っては、語学の壁は非常に低いように感じているからです。

建築のプレゼンテーションは、図面や模型、ドローイング、ダイアグラムといったより視覚的なもの用いて伝えることができるので、実際に僕は最低限の語学レベルで授業についていけています。

 

 

僕はいま、ドイツ語で講義を受けていていますが、ドイツ語のレベルがまだまだにもかかわらず建築の授業はほとんど理解できています。

というのも建築の講義は必ず図面や写真を用いて進められるので、教授がどんなに難しいことを喋っていようが、建築の知識があれば写真や図面を見れば、すぐに何について話しているかがわかるからです。

 

語学をある程度習得

→多言語で専門分野を勉強する

 

というのが留学する場合に必ず必要になってきますが、特に建築を学んでいる学生や美大生の場合は、まったく逆のアプローチができます。

僕の場合、

 

日本で建築をたくさん勉強

→その知識を元に語学を学ぶ

 

ということができています。詳しく言うと、日本の大学で学んできた建築の知識から、何について話しているかを特定して、教授が言っていることを聞いて、それに関係する言葉を覚えていくということができます。

専門用語とかって、そこらへんで売ってる単語帳とかでなかなか出会えないので、授業とかわかんなくていいから出ちゃうのが一番はやいと思います。

 

例えば先日に実際に受けた近代建築史の授業で、安藤忠雄とスカルパについて話している場面がありました。

もちろん安藤忠雄については死ぬほど日本で学んできたのですでに結構知識がありました。

スカルパについても何度か建築を見に行っていたので知識がありました。

講義を一生懸命聞いていると、安藤忠雄とスカルパの話になった途端に教授がBetonという言葉を何度も繰り返していたので、Betonはコンクリートという意味だとすぐに理解できました。

 

建築学生・美大生は、とにかく多くの建築や芸術作品を見てきているのでビジュアル的な要素から、情報を得るということに特に長けているはずです。

 

それに加えて、死ぬほどアウトプットの訓練をしてきているので、自分の作品を制作し、それを人に伝えるということもできるはずです。

この”人に伝えるという語学力”さえあれば世界中どこだって、自分や自分の作品を売り込む、プレゼンテーションができると思います。気合です。

 

このように建築や美術の知識があれば、語学力がそこまでなくても、自分の専門分野の知識から語学を学ぶことだってできます。

絵画や彫刻、図面や写真など特に建築・美術分野はビジュアル要素が強いので、留学しても語学で苦労するということが他分野に比べて少ないように感じています。

 

 

言語以外のアウトプット力

建築学生や美大生は普段から模型や図面、作品などの制作に追われているので、自分の思っていることや考えていることを、モノを通してアウトプットすることに長けていると思います。

これは建築学生、美大生の大きな強みだと感じています。

 

特に海外留学する場合、相手に情報を伝える手段は、自分の語学力が全てです。

だから留学前は人一倍語学を勉強しなければいけません。

 

しかし建築留学や美術留学の場合は言語が完璧でなくても、なんとかやっていける。

というのも、僕が建築留学を実際にしてみて感じたのは、建築においては語学よりも模型や図面で表現するアウトプット力のほうが大切だという事です。

絵が描ける、模型で表現ができる、図面が描けるというのは、外国語を1つ使いこなせるのと同じくらいの情報伝達手段だと感じています。

 

図面も模型も絵も世界共通なので、誰でも理解ができる。

これが建築・美術学生の留学をする最大のメリットだと思います。

 

幸い建築学生・美大生は、絵が描ける、模型で表現できる、図面が描ける、作品を作れる

そしてそれを相手に伝える、という点で日本の大学にいる間からかなり訓練されているので、言語が違ってもやることは同じということが留学してみての一番の発見かもしれません。

 

もちろん語学が全くできないとそれなりに苦労することになりますが、それよりも大切なのは自分の専門分野で勉強をちゃんとしてきたか、ということです。建築ができる、作品を作れる=世界のどこでもやっていけると考えても問題ないと感じています。

 

さいあく勉強しなくていい。留学生活10ヶ月経ってみて追記

まあ実際、留学は語学力もけっこういるし、日本で大学生するよりも何倍もつかれます。

海外の大学で勉強するなんて超大変です。

留学にきてみてムリだと感じたら、なにも大学で勉強しなければいい。

 

建築は大学で学ぶよりも、自分で見に行ったほうが何倍も勉強になります。

安藤忠雄だってル・コルビュジエだって独学だしね。

ヨーロッパなら見きれないほど勉強になる建築がゴロゴロあるしね。

 

なにより、異国の地の異文化のなかで生活することじたい、学びことしかないです。

 

ムリだと思ったら勉強のしかたを変えればいいだけだと思います。

少なくとも日本にとどまっているよりは何倍も勉強になることだらけ。

 

これも留学しないとそもそもできないので、とりあえず語学も建築も中途半端でいいから留学に挑戦するべき。

 

 

まとめ

僕の周りにも、入学当初は海外留学に挑戦したいという友人がたくさんいました。

でも最終的に本気で留学に挑戦したのは僕と、もう一人しかいませんでした。

 

建築学科にいると、毎日のように課題に追われているうちに、

いつしか留学のことは忘れてしまった

語学に費やす時間なんてない

というパターンが多いと思います。

 

ぼくも2年の終わりまで、普段まったく語学の勉強なんかしていなかったし、留学は厳しいとさえ感じていました。

 

結局ある日、急に思い立って留学を決意して、そこから急いで準備を始めたので、語学レベルにかなり不安がある状態での留学になってしまいました。

語学力に関してはかんぜんに見切り発車です。

もちろんそのぶん後々自分に跳ね返ってきました。

それでもそこからチョット真面目に勉強すれば、なんとか使えるレベルにはなります。

 

 

まあでも実際に留学生活が始まってみると、自分の語学力にしては、講義やゼミナールでついていけている感覚があります。

これは、おそらく建築留学は語学力より、普段からどれだけ建築できたか、という方が重要になってくるからだと思います。

 

文系の授業なんか覗いてみると、かなり語学力ないと絶対やっていけないと思う。

文系の人の留学は語学力がいのち!

建築に語学力はそんなにいらない!ちょっとはいるけど。

 

 

だから語学に自信がないという理由で留学を諦めてしまうのは、絶対にもったいないです!

恐れずに挑戦するべし!

 

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